優勝にも関わらず、見事に若手選手を中心として、
厳冬の様相を模様を呈してきている阪神契約更改。
ダウン提示に怒り心頭の濱中に続き、
藤川、鳥谷、杉山らも軒並み保留。
笑顔でサインして帰ったのは浅井のみという異常事態である。
なぜこんな事態になってしまっているのか?
確かにそれぞれの選手の成績と提示された金額を比べると可哀そうな気はする。
交流戦で見事復活し、DH、代打で貴重な働きをした濱中、
野球史上に残るほどの快刀乱麻を続けた藤川、
シーズン全試合出場の鳥谷、
シーズン途中からながら先発に定着し9勝をマークした杉山。
皆それぞれ優勝にかなりの貢献をした選手たちであることは間違いない。
勿論選手たちも生活かかってるわけだから必死であるし、
その主張がそれぞれ的外れでないことも理解できる。
だが、同情しつつもあえて苦言を呈させてもらう。
上に挙げた選手たちに少し考えてもらいたい言葉を、
今日契約更改したある1人のベテラン選手が述べている。
「2年間さっぱりで、1年間活躍しただけで金寄こせというのは間違っている」
by 吉井(オリックス)
下手すると球団の意地悪オーナーあたりの発言かとも勘違いしてしまいそうな言葉である。
500万から2000万にアップも、元から金額にこだわりはないとして放った言葉。
たかが6勝、それもBクラスのチームのベテランの発言を上に挙げた選手に当てはめるのはナンセンス。
そうも言えると思う。
だが、
故障でリハビリに2年を費やし、練習再開直後の走攻守こなせる身体でもないにも関わらず、
岡田監督のひいき(決して悪い意味では言ってはいない。ただ競争を経たわけではない。)により交流戦開始すぐに一軍のスタメンに定着できた濱中。
ドラ1入団も、与えられた機会に6年応えることができなかった藤川。
逆指名入団で即戦力の期待に2年間応えれなかった杉山。
岡田監督により藤本との競争に不戦勝してレギュラーに定着した形の鳥谷。
ある程度の悪意を持って見てしまえばこう見えなくもないわけである。
こうして見てしまえば、上に挙げた選手全てが、
去年から継続して成績を残せている選手でないことが分かる。
イチローも3年実績を残して初めて実力と言っている。
成績残したから即大幅アップというようにはいかなくてもある程度仕方ないのではないか。
私は決して実績重視の考え方が間違っているとは思わない。
アメリカ式に、その年の成績に見合った大幅アップを求めるのもいいだろう。
ならばその分ダメだったときにも、アメリカ式激シビア査定を受け入れなければならない。
もしそうなら、悪いが藤川なんかはすでにクビが飛んでいる。
ほかの選手も、今までの潜伏期には1000万どころか、
マイナー契約の生活イッパイイッパイ状況に置かれてなければならないのである。
そう考えたとき、日本式球団の温情の恩恵を上の選手たちはある程度受けているのではないかと思うわけである。
ならば、活躍した1年目はある程度の譲歩も必要なのではないか。
僭越ながらそう思わないこともないのである。
阪神がただ単にケチなのか、それともきちんとした実績重視の査定方針を持っているがゆえの今回の厳冬なのか。
以降続く安藤、赤星ら中堅選手たちの更改を見守りたいと思う。
特に福原、井川あたりがその見極めの鍵を握ると思う。
上の選手たちに比べ目覚しい活躍はなかったが、球団の継続しての成績というものに対する姿勢が窺えるのではないかと思うからである。
色々書いたが、今回の件で一番残念だったこと。
それは藤川の
「この額なら中継ぎはできない」
という発言である。
その発言こそが中継ぎというものの立場を貶めている印象を受けた。
「迷惑かけてきた球団に恩返ししたい」
「壊れてもいいからとにかく1年働きたい」
そんなシーズン中の発言に見られるような純粋な心を、
少し思い出してもらいたいと思う。